それぞれの皇后杯(終)

2020年12月6日、 カンセキスタジアムとちぎを会場に、

第42回皇后杯2回戦

ニッパツ横浜FCシーガルズvsAC長野パルセイロレディース

の試合が、11時キックオフで開催されました。

栃木県総合運動公園というばかでかい公園の一角に作られた巨大なスタジアム。住宅地のすぐ近くにあります。席数25,000席の新築。地元のサッカー協会主催の試合は既にあったそうですが、観客を入れての本格的な試合はJリーグの日程変更などに伴いこの土日に行われた皇后杯が初だったかも。私はこの辺に来るのは初めてでした。車で3時間弱。先週の石巻市に比べれば近いものです。

黄色をメインにところどころ灰色と白色が入ったモザイクデザインの客席。正面の「とちぎ」とイチゴのマークが映えるスタジアムです。屋根もあります。

選手が出てきて、軽いアップから整列、挨拶、練習開始。この時から思っていたのですが、特に先発の選手は表情の硬い人が多いなあ・・・。

対するシーガルズの方はリラックスムード。元パルLの望月ありさ選手、坂本理保選手も不動のスタメンとして先発。移籍2年目の2人の活躍もあり、シーガルズは18試合8失点となでしこ2部では比類なき鉄壁の守備。先制点を取られると苦しくなるのは目に見えています。

練習終わって引き上げ。

両チームスタメン。

AC長野パルセイロレディースは、最終戦と同じく得点源のFW中村恵実選手と新鋭のFW川船暁海選手がメンバー外。

旗4種類。試合前は無風に近いと思っていたのですが、試合途中には旗がめくれてポールに引っ掛かっていました。

試合補助(恐らく担架部隊も)は、地元の益子芳星高校の皆さん。


両チーム入場、挨拶、記念撮影。パルLの記念撮影は2枚組み合わせてみました。固いな~。シーガルズの方は記念撮影もリラックス。

今シーズン3度目の対峙。

円陣、肘タッチ。

実は皇后杯1回戦の週で栃木県開催の会場では写真撮影が禁止されたという情報があり、以前皇后杯は撮影やアップに関する縛りはない(動画はNG)と聞いていたのでビックリしましたが、2回戦の試合前に撮影禁止の貼り紙が撤去されたという話も聞きました。1回戦の禁止は高校とかの要望なら基本的に従うしかないかなと思いますが、この日の試合に関しては特にアナウンスもありませんでしたので、試合画像も使用します。

パルセイロレディースのキックオフで前半開始。

前半は、お互い深い位置まで攻め込む場面を作りながらシュートに結び付かずスコアレス。シュート数は共に2本。

ハーフタイム。この日は移動販売車が2台、入場口のすぐ外に出店していました。折角ですのでから揚げを購入。480円の2種盛り。結構ひとつひとつが大きくて、後半の笛が鳴る頃にまだ食べてました。

この日はサポートに回っていた伊藤選手がハーフタイムのリザーブ組練習の後、しばらくこのポーズで固まってたんですけど、何これ笑。誰か写真撮ってたのかな?

後半はシーガルズのボールでキックオフ。

後半も互角の戦いの中、両チーム選手交代で活路を見出そうとします。

この日の第1試合の観衆、395人。広いスタジアムなので密な感じはしませんでしたが、そこそこ人はいるなという印象でした。

78分、パルセイロレディースにアクシデント。自陣コーナーキックの競り合いで(池ヶ谷選手、五嶋選手、大河内選手の衝突に見えました)大河内選手が負傷し、急遽CBで野口選手が出場。翌日誕生日、一昨年昨年と皇后杯でゴールを決めている野口選手ですが、CBでの出場は今シーズン記憶が・・・。もしかして初めて?

カウンターから泊選手が抜け出して千載一遇のチャンス。立ちはだかる坂本選手をスピードでかわしましたが、角度のないところから放ったシュートは望月選手がキャッチ。クロスや弾いた時に備えて右サイドから瀧澤選手も詰めていましたが、ボールは来ませんでした。

その後に訪れた直接FKのチャンス。キッカーは五嶋選手が務めましたが、ゴール右上に外れました。

その後も両チーム動きますが0-0のまま。スコアレスで90分の勝負は終わり、延長戦に。後半のシュートも両チーム同数の5本ずつ。

気合いを入れ直し、延長戦スタート。

以前データで示したように、試合開始やハーフタイム後などの所謂「試合の入り」が悪いパルセイロレディースですが、この日は攻めの姿勢を見せ、CKで上がっていた野口選手が弾かれた後繋いだボールをミドルで狙うも枠外。これが入れば3年連続ゴール&バースデー(翌日)ゴールだったのに・・・。無念。

延長前半に訪れた最大のチャンス。至近距離から途中出場の西林選手が放ったシュートは望月選手がブロック。こぼれ球を肝付選手が低い弾道で狙うも、またも望月選手がブロック、そしてキャッチ。こんな恐ろしいGK、何処のチームからシーガルズは獲得したんでしょう。知ってて言ってますが笑。2017年にはサポが選ぶパルセイロレディース最優秀新加入選手でしたからねえ。ちなみに既存選手の最優秀選手は坂本選手でした。

シーガルズのシュートはゼロに抑え、4本のシュートを浴びせるなど延長前半は完全にパルセイロレディースが主導権を握るも、得点は奪えず延長後半へ。

延長後半に入ると、サイドから圧を掛け始めたシーガルズが主導権を握り、111分に遂に均衡が崩れます。サイドでパスカットした途中出場のベテラン山本選手がそのままドリブルで突き進みクロス。これを髙橋選手がヘディングで逆サイドネットに流し込みシーガルズが土壇場で先制します。

野口選手をFWに上げて最後の抵抗を試みるものの、シーガルズが巧く時間を使いそのまま試合終了。延長前半とは逆に、延長後半はシーガルズがシュート3本、パルセイロレディースはゼロでした。

2020年のパルセイロレディース、これが最後の試合となりました。

やたらと年下に慰められがちの泊選手。

同じ1点差の試合でも、あまりな試合内容で降格以上にショックだった昨年の皇后杯3回戦に比べれば、特に後半終了近くから延長前半に関しては、今までにないくらい勝ちたいという気持ちがプレーの選択にも表れていたような気がしました。痛かったことといえば、失点時の守備の甘さ。後半途中の大河内選手の離脱。そして、中村&川船の不在も手伝っての決定力不足。良い時間帯に決めておかないとしっぺ返しを食う、サッカーあるあるな試合でしたが、私の席の後ろの方から年配の男性?が「0-0だけど見応えのある良い試合」と語っていた通り、延長まで良く戦ったと思います。

2部降格直後の1年。優勝を目標に掲げながらリーグ戦は5位、皇后杯は2回戦敗退。佐野監督がライセンスの関係でWEリーグでは指揮できないという新聞記事も以前あり、オフはまた激動の期間になる可能性もあります。一昨年、昨年と、連続で主力を含む半分以上の選手を放出してきたパルセイロレディース。2020年を無駄にしない為にも、少なくともチームの軸とするべき若手の経験値は来年ここで、長野で意味のあるものにしてほしい。もうぶち壊すターンは終わり、新たなサイクルの「2年目」となることを願うのみです。


下忍のAC長野パルセイロレディース応援ブログ2冊目

続・AC長野パルセイロレディースを応援するブログ

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