2021なでしこ1部⇔2部プレーオフ第2戦

2021年11月7日、神奈川県立保土ケ谷公園サッカー場を会場に、

2021なでしこリーグ1部⇔2部プレーオフ第2戦

大和シルフィードvsバニーズ群馬FCホワイトスター

の試合が、13時キックオフで開催されました。

一般道で少し渋滞に巻き込まれた程度で、開門1時間前には現地到着。

1戦目とは逆に、当たり前ですがシルフィードのホーム感。

保土ケ谷公園サッカー場の電光掲示板。時間表示が2つあるのは、左に試合時間、右に現在時刻。若干野球っぽい感じもしますが、分かりやすいです。

現地は薄曇りの晴れ。

両チーム練習開始。

第1戦終了後の女子サカマガさんの記事に

「勝利した大和シルフィードの選手たちの表情は固く、この試合がまだ前半戦(第1戦)しか終わっていないことを再認識させられました。」

という表現がありましたが、その雰囲気は第2戦のアップ時にも感じられました。負けたチームである群馬の方が表情が穏やか。対する大和からは緊張感が伝わってくるように感じました。掴みに行く側と守らないと失う側の差なんでしょうか。

風は時間によって、スタンド側に向かって吹いてくる時と、スタンドから見て右から左に向かって吹く2種類のどちらか。

選手入場。

本日の審判団。時々見る方々。主審さんが一度だけやらかしかけたんですが未遂に終わり、比較的安定したジャッジだったと思います。

運命の一戦、ボールセット。

前半開始。

試合は、フルマッチ+試合後までの動画がありますのでご覧ください。

第1戦とは打って変わって群馬の出足が良く、風上でのスタートということもあってか、スタンドから見て左のシルフィード陣内でのプレーが続きます。

前半10分。

群馬にとって3本目のコーナーキック。中央での競り合いでこぼれたところを後方にいた関口選手がダイレクトでグラウンダーのシュート。これを小松選手がトラップし、中央からコントロールした左足シュート。ゴール右に決まって群馬が先制し、この時点で第1戦の0-1敗戦を振り出しに戻します。

ゴールの後に若干微妙な雰囲気が流れたのは主審の笛が鳴ったからですが、ゴールは認められてました。草野選手に何か主審が言葉を掛けていたので、ゴール後にボールを取りに行って相手選手と何かあったのかなと推察します。

前半はそのまま、大和0-1群馬で終了。前の試合ではあまり見られなかった右サイドバック大島選手の積極的な攻撃参加も見られ、出来ればあと1点欲しかったなあというくらいの、群馬にとっては良い内容でした。2019年は3バックに中盤5枚で分厚く攻撃を仕掛けるサッカーをしていた群馬、その頃の前へ前への推進力が戻ってきたようでした。

ハーフタイム時に、運営補助のU15の子たちが掲示していた横断幕。

動画でも聞こえますが、どこのスタジアムにもいる「心の声ダダ漏れおじさん」がこの日もいて、しかも凄いでかい声。スタンド中央の来賓席近くの上段からに聞こえましたが、おじさんの大声の度に場内アナウンスで「新型コロナウイルス感染症対策の為~」というアナウンスが。4回くらいあったか?正直、その人つまみ出した方が早いんじゃないかと思いながら聞いていました。78分辺りの怒号は、競馬場の「ヨシトミシネー」ネタに通じるものがありました。

ハーフタイム終わって、両チーム選手がピッチ上へ。

後半キックオフ前に、ボールをセットする大和シルフィードのキャプテン、濱本まりん選手。

H&Aの入替戦は、私自身は2019年のなでしこ1部2部入替戦AC長野パルセイロレディースvsセレッソ大阪堺レディースで1度観戦していますが、当時パルセイロレディースに所属していたのが濱本選手。当時の2試合はケガでメンバー外でした。0-0、1-1のアウェーゴール差で長野の降格が決まった後、チームが大幅に選手を入れ替える中で濱本選手も長野から大和に移籍しました。今シーズンはキャプテンとなり、チームが苦しむ中で時には中盤でイニエスタのように中長距離のパスを通し、FWでの出場では得点ランクでリーグ6位タイとなる7得点。特に最後の7試合で4得点とチームを支えてきた濱本選手。前述の入替戦の時はセレッソに知っている選手がほとんどいなかったのもあり長野を応援していましたが、今回は濱本選手が相手側にいるのが複雑な感じでした。一昨年の頃と比べ、苦労して、強くなった。第1戦ではそんな印象でした。

そういえば、この直後に女子サッカーでは珍しいキックオフシュートがありました。恐らく、群馬のGK小高選手が積極的に前に出る選手だというのを念頭に、風上に立ったんだから遠くても狙うぞという意思表示で、最初に脅しを掛けることでDFラインの裏を埋める走り出しを鈍らせようという大和側の意図があったのではないかと思います。

後半は、風上に立ったこともあり大和が優勢に試合を進めますが、52分頃ゴール前のこぼれ玉に足を出した時に濱本選手が足を痛めるアクシデント。その後もプレーは続けましたが、59分に交代。

群馬も61分に小松選手と兼重選手を下げ、田中選手と相沢選手を投入。小松選手は前半にピッチ外の壁に足をぶつけて治療していた影響か。兼重選手は得点ランクトップを走っていたシーズン中盤までから一転、リーグ再開後の終盤3試合は途中出場が多く、ケガなのか本調子でないのは垣間見えました。この日の試合でも好調時なら枠を捉えるダイレクトシュートがゴール上に外れたり。

初めて見た2年前(その年の関東1部得点王)から、上のリーグでどこまで得点を決められるか楽しみだった兼重選手。来シーズンは万全で、シーズン通しての活躍を期待します。

小松選手との交代で出場し、同じ右サイドに入った田中選手。76分に後ろからのタックルを受けて笛が鳴ったのですが、何故か主審はイエローカードを用意して田中選手の方へ。田中選手の必死の否定と副審の確認により、大和の須恵選手にイエロー。

このままのスコアだと延長になる状況の中、85分に試合が動きます。オフサイドからのリスタート、GK小高選手が蹴り上げたボールを小嶋選手がワンタッチで繋ぎ相沢選手へ。相沢選手からパスを受けた佐藤選手が粘って繋いだボールを再び相沢選手が受けてドリブル突破。エリア内で大和のDF西山選手が背後から倒してしまい、群馬にPKが与えられます。

リザーブの選手も祈るように見つめる中、自らキッカーを務めた相沢選手のシュートは、GKの読みとは逆の右に決まり追加点。

真っ先にベンチに走る相沢選手。

相沢選手とPKといえば、2019年のチャレンジリーグ入替戦予選の時、当時3バックの中央を務めていた相沢選手がPKを献上してしまった場面があり。あの時のPK、ここで昇華できたかなあなんて余計なことを考えていました。

試合はそのまま、大和0-2群馬で終了。1勝1敗ながら得失点差でバニーズ群馬FCホワイトスターが来シーズンのなでしこリーグ1部昇格を決めました(正式決定は12月の理事会)。

試合終了の挨拶が終わった後、試合中と同じくらいのダッシュでベンチに走ってきた佐藤選手。ベンチから真っ先に出てきた兼重選手とハグ・・・と思ったら、兼重選手に避けられ、兼重選手は歴史的ゴールを決めた相沢選手とハグ。勢い余って佐藤選手は兼重選手のビブス掴んでターンしてます(笑)。

今年の攻撃を最前線で担った3人のFW。昨年はコロナの影響で試合数が少ない中、相沢選手が得点を量産しチームを牽引。今年はチームに復帰した兼重選手が序盤から得点を量産、佐藤選手が続き、相沢選手はシーズン序盤にゴールが生まれず先発落ちも経験しました。切磋琢磨してきた3人で、最後にショートコントが見れました。

佐藤選手、後で兼重選手を無事捕獲。

各選手、野田監督やコーチ陣も加わり、喜びを分かち合っていました。

ゴール裏への挨拶、そして最後は毎試合恒例の相沢キャプテンの挨拶で2021シーズンが終了しました。

戦い終わって、あとは歓喜。

インタビューを受ける野田監督も非常に穏やかな感じでした。

アウェー保土ヶ谷の地に、チーム関係者、スポンサー関係、選手の親族、元選手など様々な人たちがバニーズ群馬FCホワイトスターの晴れ舞台を見る為に来場していました。チームも色々あった今シーズンを締め括る試合を見せられたのではないかと思います。

大和シルフィードは、まだ皇后杯が残ってはいるものの、ホームでの開催が最後になるのかこの日にシーズン終了セレモニー。その様子は、濱本キャプテンの挨拶までが試合動画の最後に収録されていますので、ご覧ください。

「この1年が有って良かったと思えるような日が、クラブにとって良かったと思えるような日がいつか来ることを願って、チームとしても、今日の日を忘れずに過ごしていけたらなあと思います」

この言葉の前後も含め、大和シルフィードのサポならずとも、心を打たれる挨拶でした。

バニーズ群馬FCホワイトスターの選手で、歓喜の輪から離れて、濱本選手の挨拶を聞いていた選手がいたことも書いておきます。

共にWEリーグ加盟を目指す両チーム。このシーズンは最後に対戦相手となりましたが、いつの日かまた、なでしこ1部やWEリーグで相見える日が来れば、この日観戦した1人としてこれほど嬉しいことはありません。

下忍のAC長野パルセイロレディース応援ブログ2冊目

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