2020年8月15日、 日産フィールド小机を会場に、
2020なでしこリーグ2部第5節
日体大FIELDS横浜vsAC長野パルセイロレディース
の試合が、15時キックオフで開催されました。
新型コロナウイルス感染症対策の影響で、この会場ではアウェーどころかホームの観客もサポータークラブの中から90人までと決められていたらしく、当日の観客発表もジャスト90人。
観戦した方のブログを拝見しましたが、現地は相当な暑さだったようです。それもそのはず、公式記録の試合時気温は37.3℃、湿度30%。湿度が低いのだけは救いでしたが、低温サウナの中で走っているようなもの。さすがにこの条件でスポーツは厳しい。コロナによる延期の後で日程を組み直した影響も大きいとは思いますが、8月の15時開催はなんとか避けられなかったものか・・・。
余談になりますが、AC長野パルセイロレディースが2017年に開催したホームゲーム(佐久市陸上競技場開催を含む)の試合条件一覧が、下の画像。
この年は7月30日にリーグカップグループリーグ終了、リーグ戦の再開は8月19日ですが、6月から8月の試合は1試合を除き全て17時キックオフ。夏の暑さに備えています。その甲斐あって、シーズン通して記録上は一度も30℃を超える気温でのキックオフがありませんでした。
今年は、異常とも言える猛暑(酷暑?)に加えて毎週試合が続く過酷な日程。試合に影響がないはずはありません。この試合はYoutubeの中継で観ましたが(試合画像は全て中継のスクショです)、暑さで辛そうなのは日体大の選手の方に見えました。ベテランの嶋田選手を含め、普段だとなさそうなトラップミスやパスミスが散見されました。暑いとはいえ夜になるとそこそこ気温が下がる長野県から来たパルセイロレディースの方が、連日の猛暑による影響が少なかったのかも・・・。
試合は前半4分に、相手のボールを中村選手がチェイス。こぼれたボールを拾った大久保選手から中村選手にボールが渡り、そのまま左斜めに抜ける形でシュート、パルセイロレディースが先制。
この日のパルセイロレディースは試合開始からかなり積極的に前に出る姿勢が見え、中盤中央の大久保選手+岡本選手もスフィーダ戦より更に前に押し上げていました。中村選手がトップ、住永選手は右にほぼ固定ながら、瀧澤選手のポジションがかなり流動的で、中村選手の左右に動いたり、左サイドの三谷選手と入れ替わる時間帯があったり。そんな中での先制点で更に勢いが増し、前半だけでシュート10本(日体大は2本)と試合の主導権を握りました。瀧澤選手もバー直撃のシュートや相手GK福田選手に弾き出されたシュートなど決定機を作り、今までの試合では少なかった大きなサイドへの展開で住永選手が右サイドを駆け上がる機会も増えました。
しかし、追加点は奪えずパルセイロレディース1点リードで前半終了。
なぜかハーフタイム中に樫原トレーナーが大写しに。選手時代を知ってる人かな?
後半始まって間もなくの49分、日体大が同点に追い着きます。CKからの関口選手ヘディング。誰か1人競り合いの中で転び、更にその選手に躓いて・・・というイレギュラーはあったものの、これで3試合連続CKでの失点。
1-1同点の58分、暑さも考慮してか、中村→泊、瀧澤→川船の前線2枚交代。
これが実を結んだのが82分。前線2人がプレスをかけ、中盤に出たボールは住永選手のチェイスによりこぼれ、これを川船選手がキープ。パスは住永選手→岡本選手→大久保選手へ。大久保選手のスルーパスに泊選手が鋭く反応、追加点を奪いました。
更に終了間際のロスタイム。
直前にも西林選手の右からのクロス→中央で野口選手という決定機を決められなかった直後のゴールキック。やや低い弾道を大久保選手がヘディングで弾き返すと、これを狙っていた泊選手がDFよりも早く追い付き追加点。結局そのまま試合は終了。1-3でアウェーのパルセイロレディースが今シーズン初勝利を手にしました。
昨シーズン、共に1部から降格したチーム同士。1年で5度(リーグ戦H&A、リーグカップH&A、皇后杯)も対決した腐れ縁。出だしで躓き、お互い未勝利で迎えた直接対決。ほとんどの選手が引き上げた後も、ピッチの中央で悔しさを押し殺す嶋田選手の姿が中継の最後に映り、胸を打たれるものがありました。昨年に主力の今井選手、瀬野選手、住永選手らが卒業、U代表経験者にケガ離脱も出て特に中盤は試行錯誤しているように見えた日体大。再起を図るには中盤の構築が不可欠なのかもしれません。
対して、ようやく初勝利を挙げたAC長野パルセイロレディース。
4試合で失点3と大崩れはしていなかっただけに攻撃の奮起が待たれましたが、中村選手の先制点は自身シーズン2点目と同時に、チームにとって初めての先制点。そして初めてのリザーブからとなった泊選手が2得点。瀧澤選手が縦横無尽に動き、サイドも含めてチーム全体に動きがあったように思います。ゲーム自体の評価は、過酷な条件下ということもあり何人かの意見をTwitterで見る限り評価は分かれていましたが、佐野監督の目指すサッカーがこの試合で少し見えたような気がします。
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